「塩の街」(有川浩・電撃文庫)

 ということで「塩の街」ですが、実際あちこちで高評価されていたことは知っていましたけれど、実際に読んでみると、なるほど確かに良作でありました。つーかこれ、ラノベの範疇に収まるような作品ではないような気がするのですけれども。そのくらい、素晴らしい作品だったと思います。私、こういった系統の話を読むことって、今まであまりなかったんですけど、それでも違和感なく読めましたし、楽しむ事ができました。そういう意味でも、良作だと思います。
 実は、読んでみると、最初私が予想していた話とは全然違うものでした。何となく、緩やかに終末へと向かう世界の中で生きる人々、みたいな話を想像していたんですけれどね。実際は、過酷な運命に立ち向かおうとする、希望や救いをきっちりと書いた辺りが、好感が持てるポイントなのではないのかと思います。私としては、自分で想像していたような内容の話も好きではあるのですが。でも、救いがあるお話の方が好きかも。どっちだよ。
 どちらにせよ、とてもお気に入りの作品に出会えて、私は幸せです。